「保育所落ちた」から、盛り上がる保育所増設論の前に、考えるべきこと
こんにちは。乳幼児子育てサポート協会の行本(ゆくもと)です。
最近、待機児童や保育所への入所の審議などが、話題になっていますね。
確かに、働くママにとって、保育所に入れるかどうかは、死活問題です。
待機児童が0になり、すべてのお子さんが希望する保育園に入れる世の中が、実現できることが、望ましいですよね。
それは、前提として、わたしは、ただただ「保育所を増やせ!」「待機児童をゼロにしろ!」という議論は、間違っていると思っています。
どうしてか…。
まず、多くの方が「認可保育園」への入園を求めています。
どうして無認可ではないのか、というと「保育の質」と「安心感」「価格」で「認可保育園」を希望されている方が多いのではないでしょうか?
では、むやみやたらと保育園を増やしたら、どうなるでしょうか?
間違いなく、保育の質は落ちます。
今、認可に求めている安心感も、落ちます。
ただでさえも、保育の現場は、人で不足で大変な環境の中、保育士さんたちはがんばってくださっています。
なのに、これ以上「保育園」という箱だけを増やして、本当に親が求める「質の良い保育」ができるのか、大きな疑問が残ります。
という事実を、まずひとつ覚えておいてくださいね。
一度、話題を変えます。
保育士さんの資格を持っていながら、保育所で働いていない…働けない女性がたくさんいらっしゃる事実をご存知でしょうか?
保育士の資格を持ちながら、保育士として働いていない女性に話を伺うと…。
・保育士として働きたいが、フルタイムで働くには年齢的に、体力がおいつかない
・時短で働きたいが、時短では雇ってもらえない
というご意見が、とても多いです。
つまり
「保育士として働きたい、保育士の仕事は好きだが、現実的に働けない」
という方が、たくさんいらっしゃるのです。
・保育の現場は、人手不足であること
・欲しくしの資格を持っていても、働けない環境があること
この3つの現実を踏まえて、私が考える待機児童問題の解決策は…。
・保育士さんが働く環境を、時短など柔軟にする(小さいお子さんを持っている保育士さんが働きやすい環境)
・自分の子育てが終わった保育士さんが、働ける働き方を作る(時短、体力に負担が少ない学年の担当など)
を、まずすること。
これをすることで、保育士の資格を持っている方が、少しは保育の現場に復帰しやすくなるでしょう。
そうすれば、保育士さん不足が解消され、保育園の定員を増やすことが可能になります。
(もちろん、規定の広さを満たしたうえで)
つまり、保育士の資格を持っている方の働く環境を、最優先で整え、既存の保育園での子どもの受け入れ体制を整えること、が第一であると考えます。
ただただ、感情的に「保育園を増やせ!」では、今の待機児童の問題は解決せず、たとえ保育園を増やしたとしても、質がおち、子どもたちへ影響するだけだと、考えています。
保育士さんの給料を上げることには、大きな財源確保が必要になります。
これは、国としてしっかりと税金の無駄使いをやめ、使うべきところにまとめて使う、メリハリのある予算を汲んで欲しいと思います。